水回し、練り編、延し編、切り編と延々続いてきた僕のそばの打ち方。この記事でやっと締めくくりです。
生粉打ちの場合、茹での工程はシンプルです。
まず、寝かしの有無について。そばは「挽きたて・打ちたて・茹でたて」が美味いといいますが、北東製粉さんのホームページを見ると15分から30分くらい寝かせた方が空気が抜けて美味いみたいですね。
パリパリに乾燥するとダメですが、ビニール袋等に入れておけば一晩おいても劣化した感じはしないです。むしろ水分が適度に飛んで(?)濃い味になるかも。
僕はそばを打ってからつゆなり出汁なりを準備するので、毎回ちょうど15分から30分くらい寝かした状態で茹でることになります。
茹でる前に麺を持ち上げてゆすり、打ち粉を落とします。脆いので麺を壊さないように注意。
沸騰した湯に麺を放り込む。再沸騰して吹き上がる寸前くらいに湯からあげます。時間でいえば30秒から40秒くらいでしょうか。太さで多少変わります。
湯を捨てながらザルに移さずとも、すべての麺がきっちりつながっていれば、箸で持ち上げるだけで全てザルに移すことができます。でもまあ、湯を捨てながらザルに移した方が楽ですよね。
後でそば湯にするので、茹で湯を流してしまってはいけません。湯を捨てながらザルに移すときは、下の画像のようにザルの下にもう一つ鍋を用意して茹で湯を受けるようにします。
水で洗い、ぬめりを落とせばできあがり。
ざるそばなどの場合、氷で締めたりすることもあるようですが、僕は冷やしてキュッと締まったそばはあまり好きではありません。ソフトな食感のそばの方が味や香りがよく分かる気がします。
温かいそばにする場合は、洗った麺を湯で温めてから出汁と合わせます。
今回打ったそばは下の画像のようなできあがりになりました。とろろの色が汚いのは見逃してください……。余っていた長芋の端の部分を使ったらこうなってしまいました。
麺リフト。ブログに乗せるために丁寧に切ったので、僕の打ったそばにしては麺の太さのブレが少ないです。
このそばをつくる様子を確認したい方はこちらでどうぞ。
そばを食べ終わったら、とっておいた茹で湯でそば湯を作ります。食べ終わるころには茹で湯の底にそばの成分が沈殿しているので、上澄みを捨てて沈殿しているものを軽く温め直す。これでトロッとしたそば湯のできあがり(自己流すぎてこれはあまり正しくないような気はする)。
茹で湯に打ち粉がたくさん混ざっているものは、トロトロではあってもそば湯にザラつきを感じるので苦手です。これを避けるために、打ち粉はキッチリはらってから麺を茹でたいです。
といっても生粉打ちの麺は脆いので派手に打ち粉を払うわけにはいかない。結局、打ち粉は切りに必要最小限なギリギリの量しか使わないのが良いと僕は思います。
そば湯はつゆに混ぜて飲むものですが、生粉打ちのそばの場合、そばの香りと味がしっかりしているのでそのままで飲んでも物足りない感じはしません。僕はたいていつゆを混ぜないで飲んでいます。
最後にそばのつなぎについて。
僕は生粉打ちのそばしか打っていないんですが、味や食感、香りはつなぎを入れたそばの方が良い場合も多いと思います。例えば、近くのそば屋では、思いっきり荒く挽いたそば粉を使って香りや食感を楽しむそばを出していました。この場合、そばだけではつながらないから小麦粉を混ぜることになりますが、生粉打ちのそばよりもそばの味や香りが強いものでした。
また、温かいそばの場合は小麦粉をまぜたものの方が向いています。そばだけだと湯に溶けやすいですし。へぎそばのように、つなぎを工夫することで面白いものができることもあると思います。
ただ、つなぎを混ぜたそばを僕は打ったことがないので手を出しにくいんですよね。生粉打ちは、慣れると作業がシンプルで簡単、時間もかからないです(少なくとも一人分作る場合は)。水回しにしろ、茹で時間にしろ、つなぎをまぜることで複雑になると思います。また、そばは茹でるだけじゃなく、つゆや出汁をとることも考えないといけないですから、つなぎまで考えて色々工夫するのが面倒なんですよね。
そばのつなぎについては、色々試す余裕がでてきたり、複数人数のそばを切るので麺帯の脆い生粉打ちでは無理だとなったりしたときに考えたいです。
ぐちゃぐちゃ細かいことを書いてきましたが、そば打ちは仕上がりにこだわらなければ思ったより簡単です。慣れれば麺打ちは30分前後でできるので時間もかからない。あまり肩に力を入れず、手軽に試してみる価値はあると思います。
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